【マインドフルネスの方法】世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる|書評・解説

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スーパー!!めん太役の岡田です。

今回は『世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』について書評します。

この本では、脳科学的に正しい最高の休息法について書かれています。
マインドフルネスの有効性を物語に沿って知ることができ、マインドフルネス初心者でもとてもわかりやすく読み進めることができるでしょう。

ダラダラ過ごしているだけなのに、なんだか疲れている
マインドフルネスって最近よく聞くけど、瞑想のことでしょ?なんか胡散臭い・・・

という方には是非読んでいただきたい本です。

基本情報
発行:2016/7/28
ページ数:248ページ
出版社: ダイヤモンド社
所要時間:2時間くらい
本現物
めん太
構成がストーリー形式になっているので、主人公に感情移入しながら、とても楽しく読めます!

僕は、この本を読む前から、習慣的に瞑想に取り組んでいたのですが、「これ本当に意味あるのかな・・・」と疑問に感じることもありました。

本書を読んで、マインドフルネスの効果を再認識するとともに、瞑想への意欲が高まり、日常生活でも「マインドフルに過ごす」ことを意識するようになりました。

 

著者は久賀谷 亮さん。
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する、まさに脳科学のプロフェッショナルです。

特にマインドフルネス初心者にとっては、とてもわかりやすくオススメできる一冊。

今回も本書の内容を活かした生活をする男の「解説付きためになるVlog」をYouTubeにアップしました。
「本の最後の方に載っていた5日間の休息プログラムを実際にやってみたらこんな感じ!」という動画。6日間を撮影に使ったとても気合いの入った動画です!

YouTubeサムネイル画像
クリックでYouTubeへ!

 

リゾート旅行や、休日のダラダラだけが休息ではない!
マインドフルネスを生活に取り入れて、脳を”疲れづらい脳”に変えよう!

それでは早速、書評していく!

 

脳は「何もしない」でも、勝手に疲れていく

脳のイメージ

マインドフルネスの話をする前に脳の疲れの原因について考えてみましょう。

 

脳が疲れている・・・

というと、仕事や勉強のやりすぎで、疲れてしまうようなイメージを持ちますが、実は「何もせずぼぉ〜」としていても脳は疲れていきます。

 

脳には、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路があります。

DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などから構成される脳内ネットワークで、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動です。自動車のアイドリングをイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。

なんとこのDMN、脳の消費カロリーの60〜80%を占めているとのこと。

つまり私たちは、いくら何もせず休んでいるつもりでも、DMNが過剰に働き続けるかぎり、どんどん脳が疲れていってしまうわけです。

今日は何もせず、一日中ぼぉ〜っとして過ごしてたのに、なんだか頭が疲れた気がするな・・・

という人は、このDMNの活動を許しまくっている人なのかもしれません。

 

つまり、脳の疲れを抑制するためには、「ただ休む」のではなく、DMNの活動を抑えていくための「正しい休息方法」を知る必要があります。

 

そう、その正しい休息方法こそが「マインドフルネス」なのです。

マインドフルネスを習得すれば、休息どころか、脳の構造が変化し、疲れやストレスに強い脳に生まれ変わらせることだってできます。

 

僕自信、マインドフルネスの効果には、少し疑問を感じていたりもしたのですが、この本を読んで

めん太
マインドフルネスやりてぇ〜!
に変わりました。

それでは、その効果を見ていきましょう。

 

[最高の休息法]マインドフルネスとは?

夕焼けを見ながら瞑想する女性

「マインドフルネス」と聞くと、

マインドフルネスって瞑想とかするやつでしょ?なに?仏教的なことですか?
と思っておられる方もいるかもしれません。

僕も「マインドフルネス=瞑想」みたいなイメージがありましたが、この本でのマインドフルネスの位置付けは、「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」です。

「総称」ですから、「マインドフルネス=瞑想」というわけではありません。
本書の言葉を借りると、
「評価や判断を加えずに、”いまここ”の経験に対して能動的に注意を向けること」がマインドフルネスです。

 

“いまここ”じゃぞ

 

あなたが、食事をしている状況を考えてみてください。
スマホでYouTubeを見ながら食事をして、食事半分動画半分に意識があったりしませんか?

散歩に出かけても、歩きながら、仕事での悩み事や、今週末の合コンのこと・・・あらゆる過去や未来の出来事について考えていませんか?

 

そうではなくて、”いまここ”の経験に注意を向けるのが、マインドフルネス。

食事なら目の前の料理の味や食感、散歩なら足で地面を踏み締めていく感触、そこに注意を向けるのです。

 

もちろん瞑想もマインドフルネスの一部なのですが、呼吸に集中する瞑想の場合は、”今ここ”の対象が、吸い込む空気だったり、その時の体の感覚だったり、吐き出す空気だったりするだけ。

食事だろうが、散歩だろうが、瞑想だろうが、あれこれ考えを巡らせずに、目の前の状況をありのままに観察するのがマインドフルネスと言えるでしょう。

 

マインドフルネスの恐るべき効果

ただ、これだけ聞くと、

力丸
ただ、今ここの経験に意識を向ける?本当にそんなん効果あるんか?
となんとなく信用性に欠けますよね・・・

例えば筋トレだったら、わかりやすく筋肉がついて、「筋トレのおかげだ!」となりますが、瞑想したところで目に見える変化を感じづらいです。

ただ、マインドフルネスへの注目度が高いのは、きちんとした「科学的裏づけ」がたくさんあるからです。

例えば、こんな実験結果があります。

マインドフルネスの科学的に実証された効果
・マインドフルネスの習熟度に比例して、感情的疲労の症状が改善する。
・デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活動が抑制され、脳疲労が軽減する。
・大脳皮質(脳の表層の最も進化した部分)の厚さが増した。(脳の機能が高まった)
・とくに”記憶”に関連する脳部位が強化される可能性がある。
・コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が抑制され、ストレスに強い脳になる。
・集中力の向上
・免疫機能の改善

このような裏づけがあるからこそ、マインドフルネスは「最高の休息法」と呼ばれ、世界中で実践されているわけですね。

実際、世界的大企業でも導入が進んでおり、Googleはマインドフルネスの研修を取り入れていますし、あのスティーブ・ジョブズは瞑想の実践者でした。

こんな頭良すぎる人が、意味のないことを取り入れるわけがありません。

この事実がマインドフルネスの確かな効果を証明しているのかもしれません。

我々日本人含めて、「何かしなければ!」と常に動き続けている真面目な人ほど、時に立ち止まりマインドフルネスを実践することは大きな効果を発揮することでしょう。

 

【呼吸は意識の錨】マインドフルネス呼吸法

錨と船

あなたは、先のことを心配したり、過去のことを悩んでばかりいませんか?

めん太
僕は、気付いたら過去のこと、将来のことで頭が占拠されています

 

脳のすべての疲れやストレスは、過去や未来から生まれます。
過去や未来ばかり考えていると、人間は疲弊していき、”いまここ”に注意を向けるやり方を忘れてしまいます。

呼吸(=”いま”)に注意を向け、過去や未来からくる疲れやストレスから解放されるのが「マインドフルネス呼吸法」の目的です。

マインドフルネスと聞いたときに、真っ先に思い浮かぶのが、この呼吸に着目した瞑想かもしれませんね。

 

僕もこれは、1年以上継続してやっているので、個人的気付き含めて手順を説明していきます。

 

マインドフルネス呼吸法

①基本姿勢をとる
背筋を伸ばして椅子に座ります。
コツは「背中シャッキリ、お腹ゆったり」です。
目は閉じても開けてもOK。2mくらい前を見るイメージ。

【私的補足】
僕の場合、目を閉じる方がやりやすいのですが、眠くなったり、飽きてきたりしたら気分転換を兼ねて目を開けます。
目を開ける時に意識しているのは、「眠くなってきているな。次空気を吸い込んだタイミングで目を開けるぞ」など心の中でつぶやき、衝動的に目を開けないこと。
そして目を開けたときに、目の前が散らかっていると気がそれるので、あらかじめ綺麗にしておくことです。

②身体の感覚に意識を向ける
足の裏が床に触れている感触、手が膝に触れている感触、体が地球の重力に引っ張られている感覚・・・
まずは、自分の体の感覚に意識を向けてみましょう。

③呼吸に注意を向ける
いよいよ呼吸に注意を向けます。
鼻を通って入る空気の感覚、胸を通ってお腹が膨らむ感覚、そして鼻から空気が出ていく感覚に注意を向けます。

【私的補足】
以前、メンタリストDaiGoさんが、「鼻を通る空気の”温度”に注目するとやりやすい」と説明されていたのを聞いたことがあります。
入ってくる空気は冷たく感じて、出ていく空気は暖かく感じます。
個人的には、これがすごくやりやすくて気に入っております。

④雑念が浮かんだら
雑念が浮かんだら、それに気付き呼吸に戻します。
誰でも雑念は浮かぶものなので、自分を責めずに呼吸に戻してやりましょう。

 

【私的補足】
もう一人の自分が、浮かんだ雑念を第三者視点で見つめているイメージを持つとやりやすい。
こちらもDaiGoさんの動画で見たのですが、雑念が浮かんだら、一枚の葉っぱが川を流れて遠くに消えていくようなイメージをすると、すんなり呼吸に意識を戻しやすいです。
何度やっても雑念は浮かびまくるものですが、ある意味「雑念が浮かんで戻すこと」がマインドフルネス呼吸法を実践する”意味”です。
雑念が浮かんだら「よし、また脳が強くなった!」と前向きに考えていきましょう。

本書を読んで、印象に残ったのは「呼吸は意識の錨(いかり)」という言葉です。

雑念が浮かんでくるのは自然なことで、それに気づくだけでいい。
風が吹いたり波が荒れようと、錨があれば船は流されない・・・

とてもいい言葉でした!

マインドフルネスは日常生活でもできる!

皿洗い

上で説明したとおり、瞑想だけがマインドフルネスではありません。
食事、歩行、皿洗い・・・あらゆる場面でマインドフルネスを実践できます。

 

例えば「食事瞑想」
上で呼吸に注目する瞑想を紹介しておりますが、食事瞑想の場合は、注目する対象が食事に変わるだけです。

例として、納豆ご飯を食べる場面を想像してみる。

納豆を混ぜる
まずは納豆をかき混ぜる。その時の腕の筋肉の動きや、変化していく納豆の質感に意識を向ける。
納豆をご飯にかける。
食べる前に観察する。よく見ると、納豆一粒一粒の大きさに違いがある、雑に刻んだ大きめのネギがはみ出している。
匂いをかぐと、早く食べさせろと唾液が出てきた。
口に運ぶ。
納豆と米粒が口の中で合わさり、唾液も交わりグチョグチョに・・・(←汚ねぇな)

最後、飲み込んで胃に落ちるところまで想像してやりましょう。

食事をとる時は、テレビを見ていたりで、”心飯にあらず”な人も多いのではないでしょうか。

僕もご飯を食べる時は、必ずYouTubeを見ながら食べていたのですが、この本を読んでから、食べ始めの5分だけはマインドフルに食べることを意識しています。

大袈裟じゃなく、これだけでなんだかとても脳の疲れがとれた感じがあります。(これマジ)

さらに、食べ物にありがたみを感じることもでき、食事への考え方が少し変わります。
呼吸に比べて取り組みやすいので、5分でいいので実践してみてください!

本書では、食事以外にも、歩行瞑想や立った姿勢でのムーブメント瞑想など、日常にマインドフルネスを取り入れていく方法が紹介されています。

めん太
動画の中では色々と実践しているので、よかったらご覧ください!

 

私たちは、歩き”ながら”何かを考えたり、歯を磨き”ながら”動画をみたり、服を着替え”ながら”今日の仕事の心配をしたりと、常に体が「自動操縦状態」になっています。

自動操縦状態の時ほど、頭には雑念が浮かびやすく、これが重なると注意力・集中力の低下を招きます。

たまには、自分の体の動きに意識を向け、自分の体を”操縦”している感覚を持つことが重要ですね。

力丸
俺は飯食うとき、飯以外見えねぇぞ。
うだうだ別な思考を巡らせる人間の頭ん中は理解できん。
めん太
人間以外の動物は皆、マインドフルネスの達人だな。
マインドフルネスの訓練を積むことがいかに大事かをこいつが教えてくれています。

 

書評まとめ『世界のエリートがやっている 最高の休息法』久賀谷 亮

『世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』久賀谷 亮
いかがだったでしょうか?

まとめ
・脳は「何もしない」でも、勝手に疲れていく
→何もしていなくても、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路が活発に活動する。
・[最高の休息法]マインドフルネスとは?
→「”いまここ”に対して注意を向ける」マインドフルネスは、科学的裏付けもある最高の休息法である。
・【呼吸は意識の錨】マインドフルネス呼吸法
→脳の疲れは過去や未来への意識から生まれる。マインドフルネス呼吸法で”いまここ”に意識を向けよう。
・マインドフルネスは日常生活でもできる!
→食事や歩行、立ち止まっての瞑想以外にも日常をマインドフルに過ごす方法は多様にある。

これを読んだだけでも、マインドフルネス実践したくなりませんか?

ただ、本書にはこれ以外にも、

・ポジティブな感情を育てるメッカの3ステップ
・「脳構造」が変われば「ストレスの捉え方」も変わる
・雑念が疲労を呼ぶーモンキーマインド解消法
・脳からくる「衝動」にはRAINで対処
・瞑想が「痛み」に効く脳科学的プロセス
・リラックスだけでは「脳の休息」にはならない理由
など、最高の休息法「マインドフルネス」の驚異的な力紹介されています。

この本の読みやすいところが、物語形式で本が構成されていること。
イェール大学研究員の悩める主人公が、マインドフルネスと出会い、変わっていく姿に感情移入しながら読み進めることができます。

ヨーダのイラストの意味も本を読めばわかります・・・!

「物語なんかいらないからその分本を薄くして、簡潔に書いてくれ」と思う人もいるかもしれません。
僕も読み始める前はそっち派でしたが、読んだ後は気持ちが変わりました。物語のおかげで内容がスッと頭に入ってくるし忘れにくいです。

めん太
こんなに楽しく読めるマインドフルネス本もないと思うので、心から一読をオススメします!

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