こんにちは。めん太役の岡田です。
今回は、『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』について書評します。


この本は、単なるうわべの「転職情報」ではなく、情報を見極める「思考の軸」を教えてくれます。
転職についてはもちろん、「自分の職業人生をどう設計するか」という永遠の悩みについても、めちゃくちゃ参考になる一冊です。

この本の書評を書いていることからわかるように、私自信が絶賛転職活動中なのです。
(無事内定出ました)

転職活動に関する本は数冊読みましたが、この本がベストセラーになるくらい売れた理由が読んでみてよくわかりました。
転職活動する人は、活動開始前に絶対読んだ方がいいです。
ページ数:224 ページ
出版社: ダイヤモンド社
所要時間:1時間半〜2時間

著者は北野 唯我さん。
「職業人生の設計」の専門家としてご活躍されています。
この本の物語でいう「黒岩」が北野さんの分身なのかな・・・と思います。

それでは早速、書評していく!
自分の「マーケットバリュー」を測る

会社が潰れても食べていける人と、食べていけない人の違いを知っていますか?
露頭に迷う人:上司を見て動く
マーケットバリューとは、市場価値のことで、今の会社での自分の価値ではなく、世の中から見た自分の価値を指します。
いつも上司の顔色を伺って仕事をしている人は、その会社内で権力を持つことはできるかもしれませんが、マーケットバリュー的には低い人間になります。

まずは自分のマーケットバリューがどのくらいなのかを知る必要がありますね。
②人的資産:人脈
③業界の生産性:一人あたりの粗利(給料の原資)
マーケットバリュー(給料の期待値)はこの3つの要素の掛け算で決まります。
なお、技術資産については「専門性」と「経験」に分かれます。
経験・・・職種に紐づかない技術。事業部長の経験、子会社の経営、リーダー経験など。


なお、僕みたいな普通の人こそ経験で勝負すべきらしいです。
専門性で上り詰めるには、センスも必要になりますが、経験ならポジショニングで勝負が可能だからです。
マーケットバリューをいかに高めるか
マーケットバリューをいかに高めるかを考えてみましょう。
年齢によって、身に付けるべき技術は異なります。
30代:経験
40代:人的資産
20代で経験を積んだ人だからこそ、30代で貴重な経験をできる可能性が高まり、そこで積んだ経験によって人脈が強くなり、40代以降に活かせるんです。


なお、マーケットバリューに最も大きな影響を与えるのは業界の生産性です。
一般的に金融業界で働いている人は、ウェディング業界で働いている人に比べ年収が高くなります。
能力的には優劣ないのに、そのような結果になるのは「業界の生産性」に大きな差があるからです。


技術資産も人的資産もないよ・・・という方でも、場所選びをうまくすれば「安定して高い給与を貰い続けられる人間」になれます。
②これから伸びる業界
つまりは「衰退産業で働くな」ということですね。
「伸びている業界で働いたことがある」だけであなたのバリューは高まります。
伸びる可能性が高いマーケット:成長著しいベンチャーがたくさんいる
(業界の非効率なロジックをついた会社は将来伸びる)
・強い会社=いつでも転職できる人間がそれでも転職しない会社
会社選びのポイント

生産性の高い業界に身を置くことはわかるんですが、人によって会社を選ぶ基準は様々で、お金よりもワークライフバランスを重視する人もいるでしょう。
ちなみに僕も給料よりワークライフバランス派です。
ただ、会社選びは難しい・・・
転職活動をやってみてひしひしと思いますが、求人数が多すぎるのだ・・・
どうしても転職アドバイザーから紹介された求人にただただ応募するという形になりがちです。
いろんな人がいますが、大多数の場合次の3つで考えるのがベストなようです。
②働きやすさ
③活躍の可能性
自分が求めているものをしっかり内省し、どんな情報があれば整理できるかを明確にしていきましょう。
・30代以降の転職の場合、活躍の可能性を厳しく見極める必要がある。「成長」は20代まで。
※「マーケットバリューが低い人→その会社以外では需要がない→他人を蹴落としてでも生き残ろうとする→働きにくい会社」というイメージですね。
いつでも転職できる能力を持ったマーケットバリューが高い人が集まった会社ほど働きやすいと言えます。

そのほか、個人的に転職活動をする上で覚えておいた方がいいなということをメモさせてください。
・転職エージェントには面接後の「どこを評価されなかったか」を聞く
・ネットの口コミは参考にすべきだが、悪口が多くなりがちなので、他社と比較すること
・中途を生かすカルチャーはあるか(役員が新卒で占められていないか)
・裁量権は、会社の主軸(エンジン)と自分の強みが一致していると持ちやすい
・今給料が高い成熟企業よりも、今後マーケットバリューが高まる成長企業を選ぼう
「やりたいこと」より心から楽しめる『状態』が重要

仕事選びになると誰しも考えること、
「自分が本当に好きなこと、やりたいことってなんだろう・・・」
これは何度考えても、本当に・・・
答えが出ません・・・!
しかし、それが普通です。心配する必要はありません。
仕事を楽しむことができる人間は次の2種類に分かれます。
②being(状態)型:やりたいことより「どんな人でありたいか」「どんな状態でありたいか」が重要。
①は「iPhoneで世界を変えてやる」みたいなスティーブ・ジョブズ的な人です。
世の中の自己啓発本とかも①な人が書いている場合が多いため、みんな①を基準に考えがちなんです。
が、実際のところ99%の人間は②のbeing型だそうです。

being型の人が無理して「やりたいこと」を追い求めたところで路頭に迷うだけ。
「絶対やりたいこと」などないのが普通なのだから素直に受け入れましょう。
「ある程度やりたいこと」が見つかれば全然OKなのです。

自分の状態は次の2つの観点から考えてみましょう!
②環境の状態:緊張と緩和のバランスは心地よい状態か。
ポケモンに例えると、マサラタウンの草むらでミュウツーLV.70が出ても楽しくないし、ワタルが繰り出す最後のモンスターがコラッタLv.5であっても楽しくありません。
自分の強さ(=マーケットバリュー)に見合った仕事、つまりマーケットバリューと求められるパフォーマンスがある程度釣り合っている仕事であればやりがいを感じられるでしょう。
・全くストレスを感じないこと
「いつでも転職できる」という交渉のカードを持つ

最後に本書で著者が一番伝えたいであろうことについて、私の経験も踏まえながら少し書きます。
転職がなぜ怖いかと言うと、多くの人にとって「初めての意思決定の場」であるからです。
小中高大、そして最初の会社と、敷かれたレールの上を周りと同じように走ってきたのに、自分の意志でそこからはみ出すのは本当に勇気がいります。
人間は今まで積み上げてきたものを”失う”のが一番怖いのです。
その結果、私たちは知らない間に檻の中に自分を閉じ込めてしまうのかもしれません。
毎日会社に通って楽しみは週末だけ、これを定年まで続けるのが当たり前なんだ・・・
と思い込んでしまうのです。
ただ、その檻の扉を開く鍵、実は誰もが持っています。
「辞めるという選択肢もあるんだよな」と気づくことです。
これに気付くことができると、非常に気持ちが軽くなり、仕事にも前向きに取り組めます。
僕も新卒で入った会社を辞めた経験があるのでとてもよくわかります。
ただ、「辞めるという選択肢」を持つためには、自力で食べていく力を身に付けないといけません。
それが本書で言うマーケットバリューであり、人によっては副業だったりするのかもしれません。
自分にとってはそれがYouTubeでした。(まだまだ結果には繋がっていませんが)
転職の目的は、「組織に頼らず食べていける力をつける」ことです。
選択肢を失った瞬間仕事は窮屈になるのです。
とか偉そうなことを本書の言葉を借りながら書いていますが、私自身まだまだ低バリュー人間なので、マックスバリュー目指して頑張ろうと思います。
書評まとめ『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』北野 唯我
『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』北野 唯我
いかがだったでしょうか?
技術資産、人的資産、業界の生産性の3つの要素の掛け算で決まる
・会社選びのポイント
マーケットバリュー、働きやすさ、活躍の可能性でチェック
・「やりたいこと」より心から楽しめる『状態』が重要
ほとんどの人は「やりたいこと」より「どんな状態でありたいか」が重要
・「いつでも転職できる」という交渉のカードを持つ
「辞めるという選択肢もある」と思える人は強い。ただ自分で食っていく力が必要。
常に「自分のマーケットバリューはどれくらいか」と自分に問いながら働いていきたいですね。


転職は不安ですが、腹を括って決断した人に失敗はありません。
何度でも立ち上がって未来を向くことができるから。