こんにちは。めん太役の岡田です。
今回は『「空腹」こそ最強のクスリ』について書評します。
空腹こそが健康長寿の鍵である理由。
16時間の空腹で活性化する「オートファジー」の驚異的な効果などについて簡潔にまとめられています。



そういうことを思っている方には、特に読んで欲しい一冊!
僕は「空腹が体いい」というのは知っていたものの、その根拠や正しい食事法については無知だったので、本書を読んで色々とスッキリしました。
そしてもちろん、「16時間の空腹時間」をより意識して取るようになりました!
著者は、医学博士の青木 厚さん。
内分泌代謝や糖尿病を専門とする医師の青木さんが、多くの患者さんと向き合ったうえでたどり着いた「究極の食事法」が紹介されています。

今回も本の内容を活かした生活をする男の「ためになるVlog」をYouTubeへアップしています。

それでは早速、書評していく!
「一日三食が体にいい」は本当なのか

日本では、一日三食が浸透しており、日本人の実に81%が一日3回の食事を摂っています。
ただ、一日三食食べることは、本当に正しいのでしょうか。
子どもの頃からそれが当たり前の環境で育ってきて、「健康のためには3食食べなければならないんだ」と思い込んでいるだけの人も多いのではないでしょうか。
本書に言わせると、「一日三食が理想的だ」という確固たる裏付けはなく、逆に以下のようなリスクが存在するとのこと。
・「食べすぎ」を招きやすく、高血糖や肥満の原因になる
・老化が進みやすい
一日三食の呪縛から、

本来食事とは、「健康を維持するために、必要な栄養を取り込む」ための行動です。
習慣や惰性で必要のない食事を摂ることは、体にダメージを与えるだけです。
たまには、内臓の気持ちも考えてみましょう。

そりゃ内臓が疲れて病気になるのもわかります。
食事は、「食べ物を噛み砕いて飲み込む」ことで終わるものではありません。
その後、各臓器たちが一生懸命働いていることを忘れないようにしましょう。
内臓にも「休息」が必要なのです。

「空腹」こそが長寿と健康の鍵だった
内臓たちに休息を与えるための、もっともシンプルで効果的な方法が、
「ものを食べない時間(空腹の状態)を作ること」です。
「空腹」は、食べ過ぎによる害から体を守り、健康や若さを維持してくれる、まさに「最強のクスリ」です。
具体的には16時間以上空腹の時間を確保することで、最大の効果を得られます。
16時間以上と聞くと、長く感じますが、もちろん睡眠時間を含んでもいいので、思ったよりは簡単に達成できる時間です。

まず、空腹状態を10時間続けると、肝臓に蓄えられた糖がなくなって脂肪が分解され、エネルギーとして使われるようになります。
さらに16時間が経過すると、体の中で「オートファジー」が機能し始めます。
「オートファジー」という言葉は、なんとなく聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
2016年に東京工業大学の大隅良典栄誉教授がオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しており、世界的に注目されています。
オートファジーの驚異的な効果
オートファジーを端的に言うと、
オートファジーとは、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる仕組み
です。
生活の中で、古くなったり壊れたりしたタンパク質の多くは体外に排出されるのですが、一部排出されなかったものは細胞内に溜まっていき、細胞を衰えさせ、体の不調の原因となります。

「空腹」によって、体内に栄養が入ってこなくなると、体は生存のためこの古い細胞を集め、分解し、それをもとに新しいタンパク質を作ります。
まさに、古い細胞が新しく生まれ変わるわけです。
細胞が生まれ変われば、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、体が活性化し、病気になりにくい若々しい体になることは想像しやすいですよね。
ただ、オートファジーの効果はこれだけではありません。
細胞が生まれ変わるとともに、細胞内の古いミトコンドリアが一掃され、新しく生まれ変わるのです。
体を動かすエネルギーを作るための工場のような器官と言えるでしょう。
工場から排気ガスが出るのと同様、ミトコンドリアは「活性酸素」という物質を排出します。
この活性酸素、少量ならウィルスや異物の除去に役立つのですが、数が多くなると、体内の細胞をも酸化させてしまいます。

しかし、新しく質のよいミトコンドリアであれば、活性酸素をあまり発生させません。
つまり、オートファジーによって、細胞内のミトコンドリアが新しくなれば、発生する活性酸素が減少し、老化を食い止めることができるわけです。
まさにオートファジーは「最強のアンチエイジング」なんですね!
そんな素晴らしいオートファジーの効果を得るためには、体内に栄養が入ってこない状態、つまり「空腹」状態を作ってやる必要があります。
最後にものを食べてから、16時間が経過しないと、オートファジーが活性化しないため、本書では、16時間以上空腹の時間を設けることを推奨しています。
無理なく「空腹」を作り、体を蘇らせる食事法
さて、「空腹の時間を16時間作りましょう」というのはわかりました。
ただ、

本書ではそんな方のために、無理なく16時間の空腹時間を設定するための「生活スタイル別の実行スケジュール」も紹介されています。
日中に取り組む人用のスケジュールも紹介されていましたが、個人的には「睡眠8時間+8時間の空腹」がもっとも取り組みやすいかなと感じます。

夕飯を食べて4時間空けて寝て、4時間遅めの朝食を食べるパターンです。
寝る前に夜食を食べる習慣がある人は別ですが、普通の人であれば、朝食を抜くだけで達成できてしまいます。
ちなみに僕の場合、「16時間空腹の時間を作ると健康にいい」というのは、この本を読む前から知っていたので、こんなスケジュールを意識して暮らしていました。
睡眠
朝食は抜いて、12時以降に昼食
※16時間以上できるだけ空けた方がいい気がするので、14時くらいに昼食を食べることを理想としている
今まで朝食を食べる習慣があった人からすると、最初の頃はきついかもしれませんが、すぐに慣れます。
朝食のかわりに、多めの水を飲んでおけば割といけます。
16時間経過した時に、「オートファジーしとるわーーーーーー!!!!!!」となんだか快感を感じることができるのが嬉しい(笑)
本書で紹介されていた神ルール①「ナッツ類なら食べていい」

そんな方のために神ルールを紹介しましょう。
「空腹への耐性が身につくまでは、空腹時間中にナッツを食べてもいい」
というもの。
栄養満点で少量で空腹感を和らげることができるナッツは、最近の研究で「ナッツに多く含まれている不飽和脂肪酸が、オートファジーを活性させること」さえわかってきたそうです。(研究段階)

空腹生活始めたてのころは、ナッツが強い味方になるはず。
慣れるまでは、ナッツを相棒にしながら、空腹時間を乗り切っていきましょう。

本書で紹介されていた神ルール②「食事の際は、何をどれだけ食べるのも自由」

はい、これは神ルールですね(笑)
面倒臭いカロリー計算などは必要なし!
ただ食べない時間を16時間以上設けて、それ以外の時間は何をどれだけ食べてもOKなのです。
まぁ、さすがに

ただ、ここまで極端じゃないにしても、16時間の反動からたくさん食べたくなる人もいるでしょう。
その点、体が慣れ「空腹力」が身に付けば、自然と「ドカ食い」の習慣も無くなっていくと著者は語っています。
書評まとめ『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚
『「空腹」こそ最強のクスリ』青木 厚
いかがだったでしょうか?
→一日三食は食べ過ぎによるリスクが高く、内臓が休息できない。
・「空腹」こそが長寿と健康の鍵だった
→「空腹」によって、脂肪が燃焼し、オートファジーが機能する。
・無理なく「空腹」を作り、体を蘇らせる食事法
→睡眠時間を挟むなどして、無理なく16時間以上の空腹時間を作る。
今まで一日三食を当たり前だと思っていた人にとっては、目から鱗が落ちる内容です。
ただ、本書にはこれ以外にも、
・減少した筋肉は、簡単な筋トレで補うこと
・糖尿病には、糖質制限より「空腹の時間」を増やすほうがいい
・空腹力で、がんの原因を取り除く
・空腹力で血液をきれいに!高血圧症を改善!
・空腹力で認知症発症のリスクを減らす!
・免疫力をアップさせて、アレルギーや感染症を遠ざける
・空腹力を楽しむのは究極のアンチエイジング
200ページちょいの本ですが、本自体が小さく、字も割と大きめなので、サラッと読めます。
そして、読んだら間違いなく「空腹の時間」を作ってみたくなることでしょう。
僕もこの本を読んでから、お腹が空いても、「おっ空腹力上がってきた!」と逆にモチベーションを感じることができるようになりました。
近い将来、一日三食という常識はなくなっていくのかもしれませんね。