体をほぐすのでもなく、
筋肉を鍛えるのでもなく、
体内の圧力を高める。
こんにちは。めん太役の岡田です。

よく寝たつもりなのに、体が重すぎる・・・
そんな悩みを抱えた現代人は多いことでしょう。
僕もそんな一人。
20代の頃からずっと、食事や睡眠に気を使っているつもりでも、「なんだかダルい」という状態が続いていました。
本書『スタンフォード式疲れない体』は、そんな悩みを抱えた現代人に必ず役に立つ「疲れない体」作りの知識が詰まった一冊です。

著者は山田知生さん。
スタンフォード大学で、スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクター、アスレチックトレーナーを勤めておられる方。
スタンフォード大学と聞くと「頭のいい大学」というイメージを持っておられる方が多いと思います。実際、スタンフォード大学は世界大学ランキング3位につける、頭のいいエリート大学です。
でもそれだけではありません!
スポーツでも超優秀。2012年ロンドンオリンピックでアメリカが獲得したメダルの22%がスタンフォード大学の学生が獲得しているほど。
そんな大学で、バリバリのアスリートがやっている「疲れない体」作りの方法を、我々一般人にも使いやすい形に落とし込んでいるのが本書。
役に立たないわけがありません!
本書では、「疲れを予防する」という観点、「疲れを解消する」という観点から、「疲れない体」づくりの方法が解説されています。
「そもそもなぜ疲れるのか」から始まり、呼吸法、食事、睡眠、日常生活の動作に到るまで、具体的なテクニックが山盛りで詰まっています。
それでは早速、書評していく!
疲れの原因は「神経のコンディションの悪さ」
「疲労」と聞くと、筋肉が疲れているようにも感じますが、実は「神経のコンディションの悪さ」もまた疲労の原因となっているとのこと。

オンとオフの切り替えを行う「自律神経」の乱れ
人間の体は、自律神経(交感神経と副交感神経)を切り替えながら、脈拍、呼吸、消化といった活動を行なっています。
日中は活動するための交感神経が優位に、夜間は休むための副交感神経が優位に、というように1日の中で切り替えられています。
ストレスや不規則な生活習慣などにより、自律神経が乱れ、この切り替えがうまく行えなくなると、「なんだかダルいな」という疲労感が体に現れます。
僕も以前は「週末は朝遅くまで寝るのが幸せ」だったりしていました。そんな生活習慣の乱れによって、交感神経と副交感神経の切り替えがおかしくなり、疲労感として現れていたのかもしれません。
体の動きを統制する「中枢神経」の乱れ
中枢神経は体を動かすための「司令塔」の役割を担っています。手や足を動かすことができるのも、中枢神経からの指示があるからです。
つまり、中枢神経と体(末梢神経)がチームプレイをして体を動かしているわけです。
しかし、座りすぎや悪い姿勢などによって「体の歪み」が発生すると、中枢神経からの指示がうまく体に伝わらなくなります。
結果、ちょっとした動きでさえ体に負担がかかるようになり、「疲労」を感じるようになります。

中枢神経を整えることで、体に負担をかかりにくくして、疲れを予防することが大事なわけですね。
IAP呼吸法:「疲れない体」のために”腹圧”を鍛えて体の歪み解消!
つまり、「疲れない体」のためには、「体の歪み」を解消してやって、負担のかかりづらい体を作っていけばいいわけです。
「体の歪み」というのは、体のバランスが悪くなった状態のことで、体の使い方のクセや、生活習慣によって、私たちの体に染み付いたもの。
それを解消するキーとなるのが「腹圧」です。
そのままですが、「腹圧=お腹の中の圧力」と本書では紹介されております。

腹圧が高い=お腹パンパン ってわけか。
腹圧が高まる→「体の中心」が支えられて安定し無理のない姿勢へ→中枢神経からの指令が伝わりやすくなる→体の各部と脳神経がうまく連携し体への負担が減る
という流れですね。
お腹と言えば体の中心ですので、そこが安定すれば体全体が安定するというのは、なんとなくわかります。
忙しい人やストレスの多い人ほど、胸だけで浅い呼吸をすることがクセになっていて、腹圧呼吸ができていないとのことです。
あとは、「どうやって腹圧を高めればいいの?」ということ。
そう、そのための方法が「IAP呼吸法」
「IAP=腹圧」、「腹圧呼吸=腹圧を高める呼吸」、「IAP呼吸法=腹圧を高める呼吸をマスターするためのトレーニング」と考えればOKです。
※「腹圧呼吸」はお腹を凹ませて呼吸をする「腹式呼吸」とは全く違うものです。字面は似ているけどね。
①姿勢を正して椅子に座る。
②5秒かけて鼻から目一杯息を吸ってお腹をパンパンにする。
③5〜7秒かけて口からゆっくり息を吐く。ポイントはこの時、お腹パンパンな状態をキープすること!
これを5回繰り返す。
簡単に言うと「お腹をパンパンに膨らませたまま呼吸する」ということ。
1回1分でできる手軽なところがGOOD!これなら朝晩と毎日続けられそうです。
IAP呼吸法は、どの種目のアスリートにも共通して効果のある、万能薬として紹介されています。これは忙しいビジネスマンなどにも必ず役立つことでしょう。

本書を読んでから、僕も毎日寝る前に2分間IAP呼吸法を実践しています。
寝る前2分間のIAP呼吸法が、自律神経を整え、睡眠の質を向上させてくれると紹介されていたからです。道具もいらず、時間もかからない手軽さは本当素晴らしい。
IAP呼吸法によって、腹圧を高めて体の中心を安定させ、「疲れない体」作りをしていきましょう!
体を動かして疲労回復!「動的回復法」
先ほど紹介した「IAP呼吸法」は、体のバランスを整えて「疲れを予防する」と言う意味合いが強いです。

予防!?俺はもう今疲れきってんだよ!!!
という方もいるかもしれません。
本書では、そんな方のための「疲れを解消する」方法として「動的回復方法」というのが紹介されています。
「疲れを解消する=じっと動かず休憩する」と思いがちですが、本書によるとそれは間違い。
疲れている時には、逆に運動することで、血液の流れが促進されて脳と筋肉にたくさん酸素を送り込むことができ、疲労物質の対流を防ぐことができるとのこと。
そもそも、脳(中枢神経)は原始時代から構造が変わっておらず、「体を移動させるため」にできています。人間は動いているのが自然で、その方が疲れもたまりにくくなるのです。
運動としては、20〜30分の軽い有酸素運動がオススメ。「ゆっくり走る」「泳ぐ」などです。
また本書では、運動前後に行う「ビフォーリセット」「アフターリセット」なるエクササイズも紹介されています。
これを組み合わせることで、体のクセをリセットしたり、体のバランスを整えたりの効果があり、軽い運動をより有効に行うことができます。
疲れを回復するためには、逆に動く!なかなか大変ですが、散歩から始めてみましょう。
実践!スタンフォード式疲れない体
本書では、上記以外にも、食事や睡眠、疲れにくい日常動作など、あらゆる面でスタンフォードの知見を活かした知識が紹介されています。
それを全て紹介することはできませんが、「スタンフォード式疲れない体を実践した男の一日」みたいな形で、網羅的に実践してみました。
ルーティンVLOG風の動画にまとめて、YouTubeにアップしておりますので、もしよかったらご覧ください。
実際に、1日通して取り組んでみて「日常のこんな小さな動作でも疲れ解消につなげることができるんだ」と思うことが多々ありました。
これを知っているだけで「疲れない体」に近づけるなら簡単なもんです!

ただ、回復浴だけは続けられる自信がない・・・w
動画を見て「おっこれは私の生活にも活かせそうだ」と思える知識が見つかれば、是非実際に本を手にとって読んでみてください!
書評まとめ『スタンフォード式 疲れない体』山田知生
『スタンフォード式 疲れない体』山田知生いかがだったでしょうか?
・疲れの原因は「神経のコンディションの悪さ」
→自律神経、中枢神経の乱れが原因
・「疲れない体」のために”腹圧”を鍛えて体の歪み解消!「IAP呼吸法」
→腹圧を高めて、「体の歪み」を解消!疲れを取り除く呼吸法
・体を動かして疲労回復!「動的回復法」
→疲れを取るためには、逆に体を動かそう!
私たちが日々感じている「疲れ」の原因、そしてそれを解消するための、効果的な技術が詰まった一冊。
簡単に始められるIAP呼吸法だけでも知っておくと、この本を読んだ価値があると言えそうです。
ただ、本書にはこれ以外にも、
・デスクワーク疲れを取る「3レッグス」メソッド
・肩こりに即効く「肩甲骨ムービング」
・眼精疲労を30秒で取り除く「目の筋膜リリース」
・アスリートが実践するダメージ療法「アイス・ヒート」メソッド
・スタンフォード式「回復浴」
・超人のように眠る「睡眠4原則」
・強靭なアスリートの肉体を支える「朝の食事術」
・タンパク質と炭水化物は「量の多い牛丼」のイメージで摂る
・疲れないアスリートが絶対口にしない「禁断の疲労食」
・疲労回復を阻害する「飲み物」の実害
・超ハードワーカーのための「疲れない覚醒戦略」
・スタンフォード式疲れない日常動作
・スタンフォード式疲れないマインドセット
など、「疲れない」体のための知識がこれでもかと詰まっております。
是非本を手にとって、自分のできるところから少しずつ実践してみてください。
「疲れない体」を手に入れ、毎日活き活きと過ごせる自分になるためのきっかけが必ず見つかるはずです!
疲れのせいか、ずっと体がだるい・・・